呼び名は　うれしくて
なにをしても　おちつきませんでした。
まちにまったひが、ついにやってくるのです！
住んでいる街の　みんなに プレゼントする日というひを
おぼえていてほしいと　おもっていました。
このひ　呼び名は
５さいに　なるのです！

たんじょうびの　まえのよる
呼び名は
すてきな　ゆめを　みました。
おたんじょうかいの　ために　おしゃれをして
おおきなへやの　まんなかに　ひとりで
たっている　ゆめです。
そのへやには　いろのちがうドアが　ありました。
呼び名は
１０この　まほうのかぎが　ついた　かぎのわを
もっていました。
かぎのいろは　ドアのいろと
おなじ　くみあわせでした。

呼び名は　あおのドアを
あけようと　おもいました。
あおいかぎを　かぎあなに　さしこんで
ゆっくりと　ドアを　おしあけると・・・
そこには　かぞえきれないくらい　たくさんの
ふうせんが　ゆらりゆらりと　ゆれていました。
おおきいの　ちいさいの　まるいの　ながいの
くねくねしたのや　おかしなかたちの　ふうせんも
あります。
呼び名は　うかれて
ふうせんを　つつきながら
あるきまわりました。
なかには　いままで　みたことないほど　おおきい
まっさおな　ふうせんも　ありました。

さくらんぼのような　あかいかぎで
つぎの　ドアをあけると
呼び名は　びっくりして
ひっくりかえりそうに　なりました。
めのまえに　とけかかった　ちょうとくだいの
アイスクリームが　そびえたって　いたのです！
さくらんぼと　ナッツがはいっていて
ホイップクリームも　たっぷり
シロップもかかっています。
「アイスクリームの　やまを　すべりおりたら、
たのしいだろうな。
ほんとうに　おいしそう･･･はやく　たべたいな！｣
呼び名は　いいました。

ゆめのなかの　みどりのへやは、
プレゼントが　つまりすぎていて
呼び名が　ドアを
あけようとしても　なかなか　あきませんでした。
登場人物１、登場人物２、登場人物３からの
プレゼントはどれかなあ。
「このなかに　たんじょうびに　ほしいと
おもっていたものが　あるといいけど・・・
あのみどりのはこが　そうかな！？
あけてみようかな？」
呼び名は
まよいましたが、おたんじょうかいまで
まつことにして、つぎのへやを
のぞいてみることに　しました。

ピンクのかぎで　あけた　へやは
ピンクいろの　あめが　いっぱいでした。
「わあ、すごい！」
呼び名は　さけびました。
「こんな　いいゆめは　はじめて！」
ぼうつきのペロペロキャンディ、
ほそながいペパーミントキャンディー、かたいの、
やわらかいの、チョコレートがついたのも・・・
あめ、あめ、あめ、あめだらけです。
呼び名は　おもいました。
「このあめは
登場人物１、登場人物２、登場人物３と
わけることに　しよーっと！」」

きいろのドアを　呼び名が
あけると、そこには　おもしろそうな　ゲームが
たくさん　ありました。
ロバのしっぽのふくわらい、おはじき、おてだま、
りんごのヨーヨーつり、わなげや
いすとりゲームのいす・・・
呼び名は　どのあそびから
はじめればいいのか、なやんでしまいました。

呼び名は　まだ
ゆめのなかです。
にじいろの　ドアのまえに　たっているのに、
やっぱり　かぎが　ありません。
かがみこんで　かぎあなから　なかを　のぞいた
呼び名は　びっくりしました。
「ここなら　おたんじょうかいが　すぐに
はじめられる！」
そこには　ほかのへやで　みたものが
ぜんぶ　ありました。
でも、へやには　だれもいません。
呼び名は　すごく
かなしくなって、つぶやきました。
「ひとりだけの　おたんじょうかいなんて
たのしくないよ」